ピアノを始めるときは、ピアノ教室に通ってレッスンを受けるのが一般的です。
でも、様々な理由からレッスンを受けずに独学で始めようと思っている人も多いと思います。
ピアノの独学ってまず何から始めたらいいの?という人のために、独学を6年続けた経験のある私がピアノを始めるために必要なものを詳しく紹介していきます。
ピアノを練習するうえで最低限必要な設備
独学でピアノを学ぶ場合、自宅で練習することが基本となります。
自宅でピアノを弾くために必要なものを紹介していきます。
ピアノ
まず、これがないと始まらないというのが「ピアノ」です。
ピアノには大きく分けて4つあります。
グレードの高い順に並べてみます。
- グランドピアノ
- アップライトピアノ
- 電子ピアノ
- 電子キーボード
どんなピアノを選ぶかは、住宅環境や経済状況に大きく左右されます。
それぞれのピアノを選ぶために必要な条件は以下の通りです。
グランドピアノ
- 6畳くらいの空き部屋がある。
- 重さ300kg以上に耐えられる床である。
- 部屋への搬入口が確保できる。
- ピアノの価格、約100万円を支払える。
- 自宅に他人が入ることを許容できる。
アップライトピアノ
- 部屋に1畳ほどのスペースが取れる。
- 重さ200kg以上に耐えられる床である。
- ピアノの価格、約50万円を支払える。
- 自宅に他人が入ることを許容できる。
グランドピアノとアップライトピアノはアコースティックピアノと呼ばれ、鍵盤楽器本来の豊かな音や繊細なタッチを体感できます。
アコースティックピアノを弾ける環境があるなら、ぜひ選びたいピアノです。
なお、どちらも年1回の調律が必要になるため、自宅に他人を入れることに抵抗がある人は避けた方がいいかもしれません。
電子ピアノ
- 部屋に1畳ほどのスペースが取れる。
- ピアノの価格、約5万円を支払える。
電子ピアノになるとだいぶハードルが下がってきます。
電子ピアノにもいろんな種類があり、鍵盤だけのタイプやスタンドと一体型のタイプがあります。
一般的に低価格帯の電子ピアノは鍵盤だけのタイプが多いです。
電子キーボード
- 部屋に置くスペースが取れない。
- ピアノに1万円以上出せない。
ピアノの鍵盤は88あります。なので横幅が約160cmほどになります。
もっと小さい方がいい。使わないときは部屋の隅に立てかけておきたい。そんな人はキーボードで88鍵以下のものを選ぶと重さも3~4kg程度と軽いので扱いやすいです。
ただ、キーボードの鍵盤はピアノの鍵盤とはタッチが全く違います。本格的なピアノを弾きたいと思っているなら、やめておいたほうがいいかもしれません。
ピアノを独学で始めるためには、まずピアノを置ける場所の確保が必要になります。
住宅環境に左右されるので、自分にあったピアノを用意しましょう。
以下の記事ではピアノ選びについて詳しく解説しています。
ピアノ椅子
ピアノが用意できたら、ピアノに付随する用具が必要です。
まずは椅子。
ライブバンドのキーボード演奏者のように立って弾くスタイルもありますが、初心者は椅子に座ってじっくり練習した方が良いです。
正しい姿勢での演奏をサポートするために、高さ調節可能なものがおすすめ。
ピアノ専用の椅子でなくても、高さが合っていて、足が地面に着くものならどんな椅子でも大丈夫です。
ペダル
ピアノを始めたばかりの時はまだ必要ありませんが、練習が進むにつれてペダルを使う場面が必ず出て来ます。
グランドピアノやアップライトピアノには付いていますが、電子ピアノやキーボードには付いていないものもあります。
別売りで接続できるタイプのものがあるので用意しましょう。
防音・防振マット
住宅環境によりますが、集合住宅の場合は振動や音漏れに配慮しなければなりません。
消音機器を取り付けたり、ヘッドフォンをして音を消すことはできますが、打鍵音やその際の振動は意外と響くものです。
ピアノの足の下に防振ゴムを付けたり、防音マットを敷いたりなどの対応が必要になります。
100均の薄い防振ゴムを使ってみましたが、あまり効果がありませんでした。
やはりそれなりに厚みのあるしっかりしたものが良いでしょう。
ヘッドフォン
同じく音漏れに配慮するために、ヘッドフォンも必要です。
値段の高いヘッドフォンを使えば音も良くなりますが、まずは手持ちのもので良いでしょう。
イヤフォンでも構いません。
メトロノーム
曲を弾いていると、気付かないうちに早くなってしまったりと、テンポが乱れてしまうことが良くあります。
メトロノームを使うと適切なテンポで弾くことができます。
昔ながらの振り子式やデジタルのものなど、いろんなタイプのメトロノームがあるのでひとつ持っておくと便利です。
なお、電子ピアノにはメトロノームが内蔵されているものが多いです。
独学の練習方法を4つ紹介
ピアノを弾く環境が整ったら、あとはどんどん弾いて練習していくだけです。
独学での練習方法は大きく分けて4つあります。
- 教則本で基礎から学ぶ
- 弾きたい曲をひたすら練習する
- オンラインレッスンを受ける
- 通信講座で学ぶ
教則本で基礎から学ぶ
初めてピアノを弾く人なら、いきなり曲を弾くより基礎を学んだ方が良いでしょう。
大人初心者向けの教本は効率よく学べるように作られているので、教則本で学びたい人は、大人初心者向けの教本を選ぶのがおすすめ。
弾きたい曲をひたすら練習する
弾きたい曲が決まっているなら、それをひたすら練習するというのもひとつの方法です。
曲の難易度や、年齢、練習時間など条件により変わってきますが、半年から1年くらいで弾けるようになる可能性が高いでしょう。
ただ、その曲以外を弾けるようになるかというと非常に難しいです。応用が効かないのが、この「1曲集中型」です。
プロを目指すわけでもない、音大を受験するわけでもない、単なる趣味としてピアノを弾いてみたいという人なら、基礎練習ばかりより、弾きたい曲を練習した方が楽しみが増します。
オンラインレッスンを受ける
オンラインレッスンとは、Zoom等のビデオ通話アプリを使用してインターネット上でレッスンを受けることです。
オンラインレッスン自体は、先生から指導を受けるので独学とは言えませんが、自宅にいながらレッスンを受けることができるので、普段は独学でもワンポイントレッスンとして利用することもできます。
ピアノ教室に通うのはハードルが高いと感じている人でも、オンラインレッスンなら挑戦しやすいのではないでしょうか。
通信講座で学ぶ
通信講座とは、受講料を支払うと学習に必要なテキスト、楽譜など一式が自宅に届き、テキストに沿って自宅で練習をするという方法です。
自宅で一人で学習するという点では独学と似ていますが、教材を用意してくれて、練習の進め方を教えてくれるという点が大きな違いです。
大人から始めようとしている全くの初心者で「何から始めたら良いのか分からない」という人は、完全独学より通信講座を利用した方が練習がスムーズに進むでしょう。
こちらの記事で4つの練習方法について詳しく解説しています。
この先からは独学が不安な人に向けてのお話です!
独学が向いているのはどんな人?
- 定期的なレッスンを受ける時間がない人
- 自分のペースで学びたい人
- 意志の強い人
ピアノ教室に通うとなると、レッスンを受ける日時、往復の移動、決められた課題の練習など、時間の確保が必要です。
独学の場合はそれらすべてが自由に決められます。
いつでも好きな時間に好きなだけ自分のペースで練習することができます。
ただし、いつでも練習できるということは、いつでも練習をやめることができるということでもあります。
明確な目標を立てて、そこに向かって継続的に努力する意志の強さがないと、独学は難しいでしょう。
独学のメリット・デメリット
ピアノの独学にはレッスンに通うことでは得られない喜びもあれば、苦労することもあります。
独学のメリットとデメリットを挙げていきます。
メリット
- 自分のペースで学べる
- 費用を節約できる
- いろんなジャンルの曲に挑戦できる
デメリット
- 間違った練習法で進めてしまう
- 基礎が不十分になりがち
- モチベーションを維持するのが難しい
ピアノ教室ではそこの教室の方針に沿って練習を進めていくことが多いですが、独学では自分のやり方で自由に進めることができます。
その反面、間違った技術で覚えてしまったり、一人で練習していくことで孤独を感じることも多いです。
独学で長く続けるコツ
独学は長く続けることが難しいと言われています。
私自身も最初の独学は6年で終わってしまいました。
自分では短いと思っていましたが、あるピアノの先生には独学で6年続いたことに驚かれました。
どうやら6年というのは長い方らしいです。
そんな私が感じた、長く続けるためのコツを挙げてみます。
練習を習慣化させる
独学は自分のペースで学べますが、そのペースが乱れてしまうことも多いです。
練習することを日々の習慣にすることが大切になってきます。
ピアノを置く場所をリビングや、自分の部屋の目に付くところに置くなど、常に視界に入るようにするのも効果的でしょう。
難しすぎる曲を選ばない
カッコいいなあ、弾いてみたいなあと思う曲は初心者には難しすぎるものが多いです。
弾きたい曲と弾ける曲は異なります。最初からあまり難しい曲を選んでしまうと行き詰まる可能性が高いので、まずは易しい曲から始めてみましょう。
完璧を目指さない
独学の場合、完成の見極めが難しいです。
完璧に弾くことを求めすぎるといつまで経っても終わることができず、次第にピアノを弾くことが苦痛になってしまうということにもなりかねません。
100%を目指さず、ある程度通して弾けるようになったら次の曲へ進んでしまっても良いでしょう。
まとめ
ピアノを独学で始めるために必要なもの、練習方法を紹介してきました。
ピアノや周辺機器は最初から全部完璧に揃えなくても大丈夫です。
全部新しく揃えようとするとお金もかかります。中古品を利用したり、まずは手持ちのもので間に合わせたりして少しずつ練習環境を整えていきましょう。
練習方法はいろいろあります。
独学でやると決めたからといって、独学だけに縛られる必要はありません。
オンラインレッスンや通信講座などを上手く活用してみましょう。
2度目の独学を決めた私は、通信講座を利用することにしました。
私が現在受講している通信講座について詳しく説明している記事はこちらです。
今回はここまでになります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。